✍️ ITエンジニアとは?職種の種類と特徴をやさしく解説
「ITエンジニア」とは何をする仕事?
近年、「ITエンジニアになりたい」「IT業界に興味がある」という声を多く耳にします。しかし、実際にどんな仕事をしているのかイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか?
ITエンジニアとは、一言で言えば**「IT技術を使って、システムやアプリ、サービスを作ったり運用したりする人」**です。ただし、ITエンジニアと一口に言っても、その中にはさまざまな職種が存在します。
例えば、あなたがスマホで使っているアプリや、会社のWebサイト、商品の在庫を管理するシステムなど、ITエンジニアが手がける範囲は非常に広くなっています。
ITエンジニアにはどんな種類がある?
ITエンジニアといっても、すべてのエンジニアが同じことをしているわけではありません。目的や担当領域によって、職種が細かく分かれています。ここでは、代表的なものを3つ紹介します。
まず1つ目は**「フロントエンドエンジニア」**です。ユーザーが実際に目にする画面(WebページやアプリのUIなど)を作るのがこの職種です。HTML、CSS、JavaScriptなどの技術を使って、使いやすく美しい見た目を構築していきます。
次に紹介するのが**「バックエンドエンジニア」**です。これは、ユーザーの操作を受け取り、処理を行う裏側の仕組みを作る仕事です。データベースと連携し、ユーザーの情報を管理したり、入力された内容を保存したりする役割を持っています。
最後に紹介するのが**「インフラエンジニア」**です。サーバーやネットワークといった基盤部分を整えることで、Webサイトやアプリが安定して動くように支えるポジションです。クラウド(AWSなど)やセキュリティ知識も重要になってきます。
なぜ今、ITエンジニアが注目されているのか?
デジタル化が進み、あらゆる業界で「IT人材」が求められるようになっています。特に近年は、**AI、IoT、クラウド、リモートワーク、DX(デジタルトランスフォーメーション)**といったキーワードが社会に浸透し、どんな企業もITの力なしでは成り立たなくなってきています。
こうした背景から、ITエンジニアのニーズは年々高まっており、未経験や新卒からでもチャレンジしやすい分野として注目を集めています。
さらに、IT業界は成果主義やスキルベースの評価が主流なため、「年齢や学歴よりも実力」でキャリアを築きやすいというのも大きな魅力です。
ITエンジニアになるとどんな仕事ができる?
ITエンジニアになると、具体的には以下のような仕事ができるようになります。
- Webサービスやスマホアプリの開発
- 業務用システムの設計・構築
- 社内ネットワークやサーバーの運用管理
- AIや機械学習モデルの構築
- データの収集・分析・可視化
企業に就職するだけでなく、副業やフリーランスとして独立する道も開けるため、働き方の自由度も非常に高いのが特徴です。
どんな人がITエンジニアに向いている?
よく「ITエンジニアって理系の人しか無理でしょ?」という声も聞きますが、実際はそうとは限りません。大切なのは、論理的に考える力と、粘り強く問題を解決しようとする姿勢です。
文系出身で未経験から活躍している人もたくさんいますし、「作ることが楽しい」「仕組みに興味がある」という気持ちさえあれば、どんな人にもチャンスはあります。
未経験・新卒からITエンジニアになるには?必要なスキルと勉強法
「未経験でもエンジニアになれる」って本当?
ITエンジニアというと、「専門学校や理系出身でないと無理」と思いがちですが、実際には完全未経験・文系出身でもITエンジニアとして就職・転職する人は多数います。
実際、企業側も「即戦力よりも、伸びしろのある人材」を採用したいと考えているケースも多く、新卒や第二新卒、職業訓練校出身者など、幅広いバックグラウンドの人材が現場で活躍しています。
筆者も求人サイト等を実際に見てみると、文系歓迎と記載のある企業も多くみられる印象です。
もちろん、「努力なしで誰でもなれる」という甘い話ではありません。ですが、正しい順序と継続的な努力があれば、確実にITエンジニアへの道は開けます。
ITエンジニアに必要なスキルとは?
未経験からエンジニアを目指すなら、まずは「基本スキル」を知っておくことが重要です。どの分野のエンジニアを目指すにしても、最初に身につけておくべきスキルは次の3つです。
1つ目は、HTMLとCSSの基礎知識。これはWebページの骨組みとデザインを作る言語です。静的なサイトであれば、これだけでも簡単なポートフォリオを公開できます。
2つ目は、JavaScriptの基本的な文法と動きの理解です。ユーザーの操作に応じた動き(クリックで画像を切り替える、入力に応じて表示を変える等)を加えるのに必要不可欠です。
3つ目は、Git(バージョン管理)とGitHubの使い方。これらはチーム開発やコード管理に使われるもので、初心者でも習得必須のツールといえます。
加えて、**フレームワーク(ReactやVueなど)やバックエンド(Node.js、PHPなど)**の基礎も、ステップアップのために順次学んでいくと良いでしょう。
スキル習得のロードマップ
未経験から始める場合、何から手を付ければよいかわからないという方も多いです。そんな人のために、学習の「型」をご紹介します。
- HTML/CSSを使って静的ページを作る
見た目のページを自分で再現してみるだけでも、大きな成長になります。 - JavaScriptを使って動的な処理に触れる
天気予報のAPIを呼び出して表示する、電卓を作ってみるなど、簡単なWebアプリから始めましょう。 - ポートフォリオを作って公開する
習ったことをアウトプットすることで、理解が一段と深まります。 - フレームワーク(ReactやVue)を導入する
実務に近い開発スタイルを学ぶことができます。Reactは特に求人数も多く、おすすめです。 - GitHubにコードをアップして履歴を残す
採用担当者が評価しやすくなり、就職活動でも強みになります。
独学で学ぶ?スクールに通う?
未経験者にとって悩ましいのが、「独学」と「スクール」のどちらを選ぶかという問題です。それぞれの特徴を整理しておきましょう。
独学のメリットは、費用が安く、自分のペースで学べること。一方で、モチベーションの維持や「何を学べばいいか」の判断に時間がかかりがちです。
スクールのメリットは、カリキュラムが整っていて、質問や就職サポートが受けられること。ただし費用がかかるのと、短期間で吸収する覚悟が必要です。
迷っているなら、まずは独学で1〜2ヶ月学び、「それでも続けられそうか」「もっとスピードアップしたいか」を判断してからスクールを検討するというステップもおすすめです。
新卒なら「ポテンシャル採用」を狙おう
新卒であれば、企業側は「即戦力」よりも「育てられる素直さ」や「継続して学ぶ姿勢」を重視します。ポートフォリオを1つでも作成して、GitHubにコードを公開しておくだけで、採用の確率はぐっと高まります。
また、インターンや職業体験の機会を活用すれば、実務経験のない未経験者でも「実績」としてアピールできる材料を作れます。これは非常に強力な武器になります。
現場で活躍できるITエンジニアに必要なマインドとキャリアの描き方
技術力よりも大切な“マインドセット”とは?
未経験からITエンジニアになるとき、多くの人が「どの言語を学ぶべきか」「どの資格を取るべきか」といった“技術面”に注目します。
もちろん、技術は大切です。しかし、現場で本当に信頼されるエンジニアになるためには、それ以上に**「考え方」や「取り組む姿勢」**が重要です。
エンジニアは問題解決の仕事です。エラーにぶつかっても諦めずに原因を調べ、自分なりに仮説を立てて動かしてみる。この「試行錯誤を楽しめる姿勢」が、現場で長く活躍する人に共通する特性です。
現場で求められる3つの力
未経験からスタートしても、仕事を任せてもらえるエンジニアになるためには、次の3つの力が必要です。
1. 調べる力(ググる力)
どんなに経験豊富なエンジニアでも、知らないことに日々直面しています。そのたびにGoogleやGitHub、Stack Overflowなどを活用して情報を探し、検証し、解決しています。自走力とも言えるこの力は、未経験でもすぐに鍛えることができます。
2. 質問する力(素直さ)
わからないことを抱え込まず、「ここまで調べたけど、ここがわからない」と具体的に伝える力も重要です。現場では「聞けること」よりも「どう聞くか」が問われます。
3. 成長し続ける力(継続力)
技術は日々進化しています。ReactやNext.jsといった流行の技術も、数年後には別の技術に置き換わるかもしれません。環境の変化を恐れず、学び続ける姿勢があれば、どんな時代でもエンジニアとして通用する力になります。
キャリアは「逆算」で考えよう
未経験からエンジニアになると、「どこまで成長すればいいのか」「何を目指すべきか」といったキャリアの描き方が曖昧になりがちです。
そこでおすすめしたいのが、“逆算思考”でキャリアを組み立てる方法です。
たとえば、「3年後にはフリーランスで月収50万円を目指したい」とします。そこから逆算して、「そのためには何を作れるべきか?」「企業に就職して何を学ぶべきか?」と具体的なステップを分解していくのです。
たった一歩でも「目標から逆算して今やるべきこと」が見えると、迷いが減り、行動が続きます。
キャリアパスの一例
ここでは、未経験〜現場エンジニアとして活躍するまでのステップ例を紹介します。
- STEP1:学習開始(0〜3ヶ月)
HTML/CSS/JavaScriptを学び、簡単なWebページを作る。 - STEP2:ポートフォリオ作成(3〜6ヶ月)
ReactやAPI連携を学び、動くアプリを作成・公開。 - STEP3:就職活動スタート(6〜9ヶ月)
GitHubやポートフォリオを武器に、ベンチャーやSES企業を中心に応募。 - STEP4:現場経験を積む(1〜3年)
チーム開発を経験し、TypeScriptやデータベース、クラウドの知識を習得。 - STEP5:キャリアの分岐点(3年〜)
フリーランスや副業、起業、AI・SaaS系など、自分らしい働き方へ。
このように、キャリアは直線ではなく選択の連続です。だからこそ、基礎力+マインドセットを早くから整えておくことが、将来の自由度を高める鍵になります。
未経験・新卒からITエンジニアになるための最短ルートと成功事例
エンジニア就職の最短ルートとは?
未経験からITエンジニアを目指すうえで大切なのは、「遠回りしない学習ルート」を選ぶことです。目的が“転職”や“就職”であれば、技術習得と同時に**「アウトプット(実績)」と「アピールの準備」**が必要になります。
単に「勉強している」だけでは企業には響きません。重要なのは、学んだ技術で何を作ったか、そしてそれをどう説明できるかです。
就職・転職活動前にやるべき準備
未経験からのエンジニア就職において、準備しておくと有利になる要素は以下の通りです。
- ポートフォリオサイトの公開
→ 自分のスキルや作った作品をまとめたWebページ。技術力・デザイン力・思考力を一目で伝えられます。 - GitHubでコード公開
→ 実際に自分が書いたコードを見せることで「実力」の証明になります。 - QiitaやZennで学びを発信
→ 勉強内容をアウトプットすることで理解も深まり、企業へのアピール材料にもなります。 - 志望企業の理解と自己分析
→ 企業の事業内容や使用技術を事前に調べ、自分とのマッチングを考える準備が必要です。
実際に未経験から就職した成功例
ここでは、よくある2つのパターンの成功事例をご紹介します。
▶︎ Aさん:文系大学卒・独学6ヶ月でフロントエンド就職
- 文系学部出身・プログラミング未経験
- Progate、ドットインストールで基礎を学習
- ReactでポートフォリオとTodoアプリを制作
- GitHubにコードを公開+Zennで技術記事投稿
- Wantedly経由でスタートアップに就職
👉 ポイント:技術力よりも「自走力」「学習継続力」が評価された
▶︎ Bさん:新卒時は一般職、1年後に職業訓練からITエンジニア転職
- 最初は一般事務職に就職
- 転職を考えて職業訓練で6ヶ月間Web開発を学習
- HTML/CSS/JavaScriptの基礎に加え、チーム開発演習も経験
- 面接では「チーム開発での役割」と「制作物のこだわり」を丁寧に説明
- IT系ベンチャーにバックエンドエンジニアとして入社
👉 ポイント:学び方よりも「何を作ったか」「どう話せるか」が評価された
未経験者がつまずきやすいポイントと対策
エンジニア就職を目指すうえで、多くの人が共通して悩むポイントがあります。それを事前に知っておくことで、対策を講じやすくなります。
1. 勉強しているのに「成長している感覚」がない
👉 対策:成果物を作りながら学ぶ、週ごとの目標設定、コードの公開で見える化
2. 周囲と比べて焦ってしまう
👉 対策:「自分のペース」を意識。短期間で習得できる人はまれ。継続できる人が勝つ。
3. 面接でうまく話せない
👉 対策:面接対策を仲間と練習する、ポートフォリオの制作意図を明確にしておく
最後に:エンジニアという職業は“自分をアップデートし続ける人”のための仕事
ITエンジニアは、一度スキルを身につければずっと安泰というわけではありません。しかし、変化に前向きで、自ら学びを続けられる人にとっては最適な仕事です。
新しい技術を学び、実装し、成果を出す。この繰り返しが仕事になる。そしてそのプロセスが、自分自身の市場価値を高めていきます。
たとえ今は未経験でも、「今この瞬間に始めたこと」が、半年後・1年後のあなたを大きく変えてくれます。
✅ まとめ
- 未経験・新卒からでもエンジニア就職は十分可能
- 大切なのは“学習の順序”と“作って公開するアウトプット”
- 技術だけでなく「考え方」や「伝え方」も重要な評価ポイント
- エンジニアは一生学び続ける職業。でも、それが面白い!
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