Obsidian×Cursorの活用方法:知的生産のシナジーを最大化― プロダクトマネージャーがCursorと作る、“思考が蓄積する”仕事環境 ―

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  1. 第1章:情報過多の時代に求められる「思考の拠点」
    1. Obsidianとは何か?なぜ「今」使うべきか
    2. Cursorとは何か?なぜAIエディタが「思考」を助けるのか
    3. ObsidianとCursor、それぞれの強みをどう活かすか
  2. 第2章:知的生産のワークフローをどう設計するか
    1. ステップ1:思考の「受け皿」を作る(Obsidian)
      1. ■ デイリーノート活用のススメ
    2. ステップ2:構造化する(リンクとタグ)
    3. ステップ3:Cursorで「深掘り」する
      1. 使い方の一例:
    4. ステップ4:再びObsidianに戻す
    5. このワークフローが生むもの
  3. 第3章:プロダクトマネージャーの1日に見る、Obsidian×Cursorの実践例
    1. 8:30|出勤 & Obsidianで「今日のテーマ」整理
    2. 10:00|インタビュー実施 & その場でObsidianに記録
    3. 13:00|Cursorで「構想案」を起草
    4. 16:00|Obsidianに再度格納し、「構想→議事録→決定」の流れを可視化
    5. 翌週以降|リンクを辿って“思考の時間旅行”ができる
  4. 第4章:チームに広げるObsidian×Cursorの知的生産文化
    1. チームでの情報共有はなぜ続かないのか?
    2. Obsidianで「属人知」を“つながる知”へ
    3. Cursorでチームメンバーの書くハードルを下げる
    4. 「ナレッジの自動回遊」が生む創造性
    5. 社内の「言語化文化」が加速する
  5. 第5章:Obsidian×Cursorの運用を最適化する実践テクニック
    1. テンプレートで“考える土台”を高速で呼び出す
      1. 例:アイデア検討テンプレート
    2. タグとリンクで“発見性”を最大化する
      1. タグ運用のコツ:
      2. リンク設計のコツ:
    3. プラグイン活用で“思考の支援装置”を増設する
      1. ① Templater
      2. ② Calendar & Daily Notes
      3. ③ Dataview
      4. ④ Excalidraw
    4. Cursor×Obsidianの「テンプレ化ワークフロー」例
  6. 第6章:AI×ナレッジ×マルチツール連携の未来
    1. 知的生産の現実:複数ツールに分散する情報
    2. Obsidianを“情報の最終着地地点”にする
    3. Cursorの役割:マルチツール間の“意味変換エンジン”
      1. 具体例:
    4. ZapierやMakeとの連携で、ノイズを削ぎ落とした自動化も可能に
    5. Obsidian×Cursorを中心とした“知的生産エコシステム”
  7. 第7章:AI伴走型の知的生産へ 〜未来の働き方をObsidian×Cursorで先取りする〜
    1. なぜ今、“AI伴走”が重要なのか?
    2. Obsidian×Cursorがもたらす“知的ループ”
    3. “思考が蓄積する”環境が、働き方を変える
    4. プロダクトマネージャーにこそ必要な「知の再利用性」
    5. まとめ:知的生産の“当たり前”が変わるとき
  8. おわりに:未来のあなたへ手渡す“思考の資産”

第1章:情報過多の時代に求められる「思考の拠点」

スマートフォン、Slack、Notion、Googleドキュメント、ChatGPT──
気づけば、私たちの周囲には「情報」が溢れ、1日に触れるテキスト量は数万単語を超えています。

特にプロダクトマネージャーやクリエイター、研究職のような知的労働者にとっては、インプットとアウトプットを高速で繰り返す「思考の筋トレ」が日常です。しかし、同時にこんな悩みも増えています。

  • あのメモ、どこに書いたっけ?
  • 思考が断片化してしまう…
  • アイデアが蓄積されず、毎回ゼロから考えている

こうした「思考の散逸」を解消し、脳の外部ストレージとして機能するのが、ObsidianCursorの組み合わせです。


Obsidianとは何か?なぜ「今」使うべきか

Obsidianは、一言で言えば**「リンク可能な思考のためのノートアプリ」**です。
マークダウンで書けるメモをローカルに保存し、ノード同士を双方向リンクでつなぐことで、まるで自分だけのWikipediaのような“知識のネットワーク”を構築できます。

特に注目すべきは以下の点です:

  • 完全ローカル保存で高速かつ安全
  • [[リンク]]や#タグによる情報の接続
  • Graph View(知識マップ)で思考の全体像を可視化

この構造化メモは、従来の「階層フォルダ型」のノート管理とは全く異なり、思考の流れに沿って、自由に知識を編み上げていけるという点で非常に優れています。


Cursorとは何か?なぜAIエディタが「思考」を助けるのか

CursorはAI搭載のコードエディタとして知られていますが、実はドキュメント執筆、メモ編集、思考のサポートといった知的作業にも非常に強力なツールです。

  • GPT-4/GPT-4oを活用した自然な補完
  • 選択テキストへの対話型プロンプト
  • コード、文章、構造の理解に強く、全体の整合性も取れる

たとえば、

  • 思考の断片を自然言語で書き出す
  • Cursorで「要約して」「論点を整理して」「この流れで続きを書いて」と頼む
  • その結果をObsidianに蓄積し、次の議論や企画に活かす

このように、人間の思考に並走するAIアシスタントとしてCursorは今、進化を遂げています。


ObsidianとCursor、それぞれの強みをどう活かすか

  • Obsidian → 情報の「保存」「接続」「再利用」が得意
  • Cursor → 情報の「生成」「変換」「対話型編集」が得意

この2つを組み合わせることで、“思考の蓄積”と“再利用可能なナレッジ化”が同時に実現するのです。

第2章:知的生産のワークフローをどう設計するか

〜ObsidianとCursorを軸にした“思考の循環”モデル〜

前章で、ObsidianとCursorそれぞれの役割と可能性を整理しました。ここからは、この2つをどう組み合わせ、日常の仕事や思考に組み込むかについて掘り下げていきます。


ステップ1:思考の「受け皿」を作る(Obsidian)

まず必要なのは、思考のすべてを“とりあえず受け止める”受け皿です。ここで活躍するのがObsidianです。

■ デイリーノート活用のススメ

Obsidianには「デイリーノート」という機能があり、毎日の思考・ログ・メモを1ファイルにまとめられます。

たとえば次のように活用します:

# 2025-05-24

## 📌 Today’s Focus
- 企画Aの構成作成
- ミーティングメモの整理

## 🧠 思考メモ
- “蓄積される環境”が生産性の鍵になってきた
- ObsidianでのアウトラインとCursorでの詳細執筆の使い分けが重要かも

## 🗒 Memo
- チームメンバーXとの会話で気づいたこと:...

このように、雑多な情報もまずはここに投げ込んでおくことで、情報を「溜める」場所が生まれ、後で活用しやすくなります


ステップ2:構造化する(リンクとタグ)

デイリーノートに記録された情報は、必要に応じて他のノートにリンクしたり、タグで分類していきます。

  • [[思考術/Obsidian活用]]
  • #アイデアストック
  • [[プロジェクト/企画A]]

こうすることで、一度書いたアイデアが孤立せず、文脈ごとに再利用される仕組みができます。これはNotionやGoogle Docsにはない、Obsidian特有の“知識が育つ感覚”につながります。


ステップ3:Cursorで「深掘り」する

思考の断片やアイデアが溜まったら、次はCursorの出番です。

使い方の一例:

  1. Obsidianで書いた思考メモをそのままコピーしてCursorに貼る
  2. 任意の箇所を選択し、右クリック → 「AIに聞く」
    • 「このアイデアを3つの視点から展開して」
    • 「この流れに合う導入文を追加して」
  3. AIが生成した文章を参考にしながら、自分で再構成・編集

このプロセスを通じて、ぼんやりした思考が明確な文章・企画案へと変換されていきます


ステップ4:再びObsidianに戻す

Cursorで整えたテキストは、再びObsidianに戻して保存・リンクします。

  • たとえば[[企画A/構成案]]として保存し、今後の会議や実装フェーズで再利用
  • [[アイデアストック]]にリンクを貼って、今後のネタとして活用

このように、ObsidianとCursorの間を“思考の素材”が行き来することで、思考の「循環サイクル」が完成します


このワークフローが生むもの

  • 書くことが苦手でも、AIが補完してくれるので迷いが減る
  • 情報を溜めて→整理して→展開して→また蓄積するという循環が生まれる
  • 結果として、思考の質と再現性が高まる

このワークフローを日々回すだけで、蓄積される知的資産は圧倒的な差を生みます。

第3章:プロダクトマネージャーの1日に見る、Obsidian×Cursorの実践例

〜“情報の洪水”を味方に変えるワークスタイル〜

プロダクトマネージャー(PM)は、社内外の多様な関係者と連携しながら、要件定義、企画立案、仕様調整、スケジュール管理、そして未来の方向性までを担う“全方位型”の職種です。

そのため、日々次のような作業が発生します:

  • 会議での議事録作成や決定事項の整理
  • ユーザーや顧客の声の収集・構造化
  • アイデアのブレスト、資料化
  • 技術やビジネス要素の調査と理解
  • チーム間のコミュニケーションとフィードバック

この膨大な情報を、ただ“処理するだけ”では差がつきません。いかに「思考を資産化」していけるかが、経験年数に比例しない成果を生む鍵となります。

ここでは、あるPMの1日を例に、Obsidian×Cursorの活用プロセスを見ていきましょう。


8:30|出勤 & Obsidianで「今日のテーマ」整理

始業前にObsidianのデイリーノートを開き、前日のログをざっと見返してから、今日の主な目的を設定します。

markdownコピーする編集する# 2025-05-24

## 🎯 今日のテーマ
- ユーザーインタビューのフィードバックまとめ
- リニューアル案のコンセプトを明文化

[[ユーザーインタビュー/5月実施分]] → ここにまとめていく
[[リニューアル構想/Ver3]] → 企画案として発展

この段階では、未整理でもOK。「何に集中すべきか」が明文化されるだけで、日中の迷いが減ります。


10:00|インタビュー実施 & その場でObsidianに記録

Zoomなどでのインタビュー中、リアルタイムにメモをObsidianに記録します。

markdownコピーする編集する# ユーザーインタビュー/5月実施分

## 👤 A社マネージャー
- 毎回プロジェクトが「ゼロベース」で、過去の知見が活かしにくい
- 複数人で同時に仕様を把握・共有できる環境が欲しい

→ [[課題分析/属人化]] にリンク

キーワードにリンクを付けながらメモしておけば、後で構造的な整理もしやすくなります。


13:00|Cursorで「構想案」を起草

午後は、午前中に得た気づきから、リニューアル構想案のベースをCursorで書き始めます。

markdownコピーする編集する## リニューアル構想案(v3)

現状の課題
- ドキュメントがチームに定着しない
- 属人的な引き継ぎによるミス

提案:
- “チームで使えるWiki型ワークスペース”の導入

この段階でCursorにこう問いかけます:

「この構想をもっと魅力的に書き直して」
「この案のメリット・デメリットを列挙して」
「似た成功事例は?」

AIが出力した内容を再編集しながら、思考が深まり、構想が具体化していきます。


16:00|Obsidianに再度格納し、「構想→議事録→決定」の流れを可視化

Cursorで構築した資料案は、再びObsidianに貼り戻して、次のようにリンクします。

markdownコピーする編集する[[リニューアル構想/Ver3]]  
→ [[ミーティング資料/5月28日]] に使用予定  
→ [[プロジェクト進行ログ/2025]] に進捗記録

このように、「思考の出発点」から「合意」「実行」までがノート上に可視化されることで、“思考の流れ”が再利用可能なナレッジとして蓄積されていくのです。


翌週以降|リンクを辿って“思考の時間旅行”ができる

たとえば、1ヶ月後に次のプロジェクトが立ち上がったとします。
過去のリニューアル構想を参照したいときは、ただこう検索すればいいのです。

luaコピーする編集する[[リニューアル構想/Ver3]]

すぐに「なぜそう考えたのか」「誰と議論したのか」「何が決まったか」が分かり、記憶と文脈を取り戻すことができます。

第4章:チームに広げるObsidian×Cursorの知的生産文化

〜“個人の知”から“組織の資産”へ〜

前章では、プロダクトマネージャーの1日を通じて、ObsidianとCursorの実践的な活用方法を紹介しました。ここからは、個人で蓄積した知識や思考を、どのようにしてチームに還元し、組織の生産性向上に繋げていくかに焦点を当てていきます。


チームでの情報共有はなぜ続かないのか?

多くの企業で「ナレッジ共有」が課題として挙がりますが、下記のような壁にぶつかることが多いのではないでしょうか?

  • ツールがバラバラ(Slack・Notion・Google Driveなど)
  • 検索性が悪く、誰も見返さない
  • 書くこと自体が業務外の“余計な作業”に感じられる
  • “誰が何を考えていたか”が時系列的に追えない

このような問題は、結局のところ「ナレッジが“文脈”ごと共有されていない」ことに起因しています。
そこで鍵になるのが、Obsidianのリンク構造+Cursorによる編集補助という組み合わせです。


Obsidianで「属人知」を“つながる知”へ

個人のノートは、プロジェクト単位やトピック単位で自然とリンクされていきます。

たとえば:

[[プロジェクトX/仕様案]]
→ [[ユーザーインタビュー/4月分]]
→ [[課題分析/導入障壁]]
→ [[スプリント会議/5月15日]]

こうすることで、

  • 「ある仕様は、どんな背景から生まれたのか?」
  • 「過去の議論では何が争点だったか?」
  • 「同様の課題は過去にあったか?」

といった**“思考の遡り”や“先行知見の再利用”が一瞬でできるようになります。**


Cursorでチームメンバーの書くハードルを下げる

一方、情報を「まとめる」ことが苦手なメンバーも少なくありません。
そこを補ってくれるのが、CursorのAI編集機能です。

たとえば:

  • Slackの雑談ログを貼り付けて、「要点だけまとめて」と依頼
  • 議事録の殴り書きを渡して、「議論の論点を抽出して」と依頼
  • 曖昧なアイデアに「企画書風に整えて」と依頼

これだけで、“話し言葉→使えるドキュメント”へ昇華できます。
つまり、誰でもナレッジ化の一歩を踏み出せる土壌が整うのです。


「ナレッジの自動回遊」が生む創造性

Obsidianの強みは、手動でリンクを貼らずとも、[[双方向リンク]] や [[バックリンク]] を使って自動的にノートの繋がりが可視化されることです。

すると、「このプロジェクトとあのプロジェクト、実は似た議論していたんだな」「過去の課題と今の課題、根っこは同じだ」といった**“気づき”や“再発見”が自然と生まれます。**

これは、単なるメモアプリではなく、“知のネットワーク”として機能しているからこそ得られる効果です。


社内の「言語化文化」が加速する

こうした活用を日常的に繰り返すことで、次第にチームにも変化が生まれてきます。

  • 「この課題、ノートにまとめてあったはず」とリンクを探す文化
  • 「言語化しておけば、後で使い回せる」という意識
  • 「思考過程ごと共有しよう」という透明性

こうした変化が重なると、ナレッジ共有が“仕組み”ではなく“文化”として根付きます。

第5章:Obsidian×Cursorの運用を最適化する実践テクニック

〜テンプレート・タグ・プラグインで加速する知的生産〜

ここまでで、ObsidianとCursorが組み合わさることで、個人の思考がどのように言語化され、チームに共有され、ナレッジとして蓄積されていくかを紹介してきました。
この章では、それらをさらに効率化・高度化するための「運用の工夫」をお伝えします。


テンプレートで“考える土台”を高速で呼び出す

思考をゼロから言語化するのは、エネルギーを要する作業です。
そこで役立つのが、テンプレート機能です。

例:アイデア検討テンプレート

## アイデアの概要
(ここに一文で書く)

## 背景・目的
(なぜそれをやる必要があるのか)

## 想定される価値
- (誰にどんな価値を届けるか)

## 検証方法
- (実験・調査・プロトタイピングの方法)

## 次のアクション
- [ ] 実施タイミング
- [ ] 担当者

このようなフォーマットを用意しておけば、Cursorで「このテンプレートに当てはめて」と言うだけで、Slackの会話ログから一発で“整理されたノート”が生成できます。


タグとリンクで“発見性”を最大化する

情報が蓄積されても、使われなければ意味がありません。
そこで重要なのが、発見性を高める設計です。

タグ運用のコツ:

  • #課題 #仮説 #検証 #施策案 のように目的別
  • #PM視点 #デザイン思考 #ユーザー観察 のように思考軸別
  • #2025Q2 #新規事業 のようにプロジェクト・時期別

リンク設計のコツ:

  • ある会議ノートから「関連議論」や「アイデア元」へのリンクを手動で貼る
  • [[共通タグ]] を通じて横断的に関連性を可視化する
  • Dataview プラグインなどを使って、動的に「この条件に合致するノート一覧」を自動抽出する

プラグイン活用で“思考の支援装置”を増設する

Obsidianの真価は、プラグインによって拡張性が高まる点にあります。
ここでは、知的生産において特に効果的なものを紹介します。

① Templater

変数や日付を動的に扱えるテンプレートエンジン。
「今日の日付+アイデアテンプレ」などが1クリックで生成可能。

② Calendar & Daily Notes

毎日の思考ログを自動で蓄積。過去を振り返る「知的ジャーナリング」が可能。

③ Dataview

ノート間のデータをクエリで抽出・一覧表示できる。
「未着手のタスク」「検証中のアイデア」などをダッシュボード化。

④ Excalidraw

図解とノートをリンク可能。思考の可視化を図と文字で一元管理。


Cursor×Obsidianの「テンプレ化ワークフロー」例

  1. Slackの会話や会議ログをCursorに貼り付ける
  2. 「アイデアテンプレートに落とし込んで」と依頼
  3. CursorがObsidianフォーマットで返してくれる
  4. それをそのまま .md ファイルとして保存
  5. 必要に応じてリンク・タグを補強

この流れを「毎日の業務で自然にやっている」だけで、ストック型の知が増え、あとから再活用されやすくなります。

第6章:AI×ナレッジ×マルチツール連携の未来

〜Obsidian×Cursorをハブにした知的ワークスペースの構築〜

ObsidianとCursorの連携は、個人の思考を整理し、チームのナレッジを構築する強力な基盤を提供します。
しかし、現代の知的生産においては、これら2つだけではカバーしきれない領域も存在します。
この章では、「AI」「ナレッジ」「マルチツール連携」という観点から、Obsidian×Cursorを中核に据えた“拡張型ワークスペース”の構想を紹介します。


知的生産の現実:複数ツールに分散する情報

日々の業務で使うツールは多岐に渡ります。

  • Slack(チャット・会話ログ)
  • Notion(チームドキュメント)
  • Google Docs(共有資料・原稿)
  • Figma(UI設計・図解)
  • JIRA(開発管理)
  • Zoom(会議メモ)

これらの情報は、蓄積されてはいるが、“散らばって”いるのが現実です。
この状態を解消する鍵が、**Obsidian×Cursorを中心とした“知識のハブ化”**です。


Obsidianを“情報の最終着地地点”にする

複数ツールの情報を収束させるため、Obsidianを「思考と情報の集積所」として位置づけます。

  • Slackで出た会話をCursorで要約し、Obsidianに整理して記録
  • Notionでの企画メモを、Markdown形式でエクスポートしリンク付け
  • Google Docsのドラフトを構造化して、背景・目的・課題に分解
  • JIRAのチケットを参照しながら、検証ログや課題ノートに転記

このように外部情報→構造化→Obsidianへという流れを作ると、思考資産が1か所にまとまり、検索・再利用がしやすくなります。


Cursorの役割:マルチツール間の“意味変換エンジン”

Cursorの真価は、ツールの間を“意味”でつなぐ変換器になれる点です。

具体例:

  • Slackのやりとり → 「仕様検討メモ」に変換
  • Google Docsの文章 → 「プロジェクトの背景」に要約
  • Zoom文字起こし → 「議論の要点」リストに再構成
  • FigmaのURL+文脈 → 「UIの意図と改善案」に転写

これにより、ツールごとに異なる情報のフォーマットが、「Obsidianに適した構造」に自然に整理されていきます。


ZapierやMakeとの連携で、ノイズを削ぎ落とした自動化も可能に

Cursorの生成結果をもとに、ZapierやMakeなどのノーコード自動化ツールを使えば、

  • 指定のフォルダに入れたMarkdownファイルを自動でObsidianに取り込む
  • タグに応じてカテゴリ分けされたノート一覧を自動生成
  • チームで共有した議事録の要約を、週報形式でメール配信

など、知的作業の補助的部分を無人化=思考に集中できる環境を作れます。


Obsidian×Cursorを中心とした“知的生産エコシステム”

最後に、筆者が実践している連携例を紹介します。

Slack → Cursor → Obsidian(会話ログの要約・記録)  
Zoom → Otter.ai → Cursor → Obsidian(議事録の生成)
Notion → Obsidian(プロジェクトノートのアーカイブ)
JIRA → Cursor → Obsidian(進捗と課題の記録)

これにより、すべての知的活動が“1つの場所”に蓄積され、時間を超えて再利用できるナレッジ資産となっていきます。

第7章:AI伴走型の知的生産へ 〜未来の働き方をObsidian×Cursorで先取りする〜

テクノロジーの進化により、「書く」「考える」「記録する」「共有する」といった知的作業の形は、いま大きく変わりつつあります。その中心にあるのが、「AIと共に働く」という考え方です。
この章では、Obsidian×Cursorを活用した“AI伴走型”の知的生産スタイルを振り返りながら、これからの働き方について提言します。


なぜ今、“AI伴走”が重要なのか?

人間の知的リソースは有限です。

  • 毎回ゼロから考える時間
  • 過去に書いた内容を探す時間
  • 情報を整理して伝える時間

これらはすべて、「価値ある仕事」ではあるけれど、「もっと短くできる仕事」でもあります。
AIは、あなたの“第2の頭脳”として、**単なる補助ではなく「共に思考するパートナー」**になりつつあります。


Obsidian×Cursorがもたらす“知的ループ”

本連載で紹介した2つのツールには、それぞれ異なる役割がありました。

  • Obsidian:思考の記録・構造化・蓄積
  • Cursor:情報の生成・整理・変換

この2つを組み合わせることで、次のような知的ループが成立します。

  1. 思考をメモ → Obsidianへ
  2. 課題や疑問を抽出 → Cursorで深掘り
  3. 新しいアウトプットを生成 → さらにObsidianに記録
  4. つながりが生まれ、知識が体系化される

つまり、AIとの対話を通じて、自分の中にある断片的な思考が「体系化された知」へと進化していくのです。


“思考が蓄積する”環境が、働き方を変える

この知的ループが日常的に機能すれば、次のような変化が起きます。

  • 会議で「何を話していたか?」を思い出す時間がゼロに
  • 過去の議事録を検索すれば、必要な文脈がすぐ見つかる
  • 自分の思考ログを読み返すことで、自己学習が加速する
  • 新人メンバーが「蓄積された思考」を学習できる

これは、単なる効率化ではなく、組織や個人の“ナレッジ・インフラ”の変革と言えるでしょう。


プロダクトマネージャーにこそ必要な「知の再利用性」

筆者はPM(プロダクトマネージャー)として多くの判断とコミュニケーションを担っています。
その中で感じるのは、「一度考えたことを、何度も思い出す時間」がいかに無駄か、ということ。

  • 「あの時なぜこの設計にしたんだっけ?」
  • 「ユーザー要望の背景ってなんだった?」
  • 「上司に説明したロジック、再利用できないか?」

Obsidian×Cursorを活用すれば、過去の思考・議論・意思決定のログがすべて資産化され、再利用可能になります。
これは、PMだけでなく、あらゆる知的職業にとって“働き方のアップグレード”になるはずです。


まとめ:知的生産の“当たり前”が変わるとき

この連載を通じてお伝えしたかったことは、以下の3点に集約されます。

  1. Obsidian×Cursorは、現代の知的作業に最適化されたツールである
  2. AIを「使う」ではなく「共に考える」存在として捉えるべきである
  3. 思考を記録し、再利用する文化が、これからの差を生む

これまで属人的だった「考え方」や「判断の流れ」が、構造化され、共有され、受け継がれていく。
そんな未来の知的生産を、いまから構築してみませんか?


おわりに:未来のあなたへ手渡す“思考の資産”

AIと共に働くことが当たり前になった時代、真に価値を持つのは「人間の問い」や「思考の深さ」です。
Obsidian×Cursorを使いこなすということは、未来の自分へ“知の遺産”を手渡すことに他なりません。

明日の議論も、来週の企画も、5年後の新人育成も、
すべて“いまのあなたの思考”が土台になります。

ぜひ、今日からその一歩を踏み出してみてください。

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